地価公示制度の概要

地価公示制度は、都市及びその周辺地域において標準地を選定し、正常な価格を公示することにより、(イ) 一般の土地の取引価格に指標を与え、(ロ) 公共事業用地に対する補償金額の算定等に資し、適正な地価の形成に寄与することを目的とする(地価公示法1条)。

地価公示の手続き

⑴ 地価公示の実施地域(重要

              
① 地価公示は公示区域内で行う(同法2条1項)。
※ 公示区域とは、都市計画区域その他の土地取引が相当程度見込まれるものとして国土交通省令で定める区域である。したがって、都市計画区域以外の区域内においても公示区域を定めることができる
② 国土利用計画法で定める規制区域は除外される
(規制区域指定時に地価が凍結されるので、自由な取引による価格が存在しなくなるからである)。尚、注視区域・監視区域は対象となる。

⑵ 標 準 地(重要)

  標準地は、公示区域内において、自然的及び社会的条件からみて類似の利用価値を有すると認められる地域において、土地利用状況、環境等が通常と認められる一団の土地について土地鑑定委員会が選定する(同法3条)。
※一団の土地とは、不動産登記法上の一筆の土地であるか否かを問わず、同一の利用者によって一つの利用目的に供されている一区画の土地を意味する。

⑶ 正常な価格の判定

とことん覚える!重要度A】      

① 土地鑑定委員会が2人以上の不動産鑑定士に鑑定評価を求める
② 標準地の鑑定評価を行うに当たっては、近傍類地の取引価格から算定される推定の価格、近傍類地の地代等から算定される推定の価格及び同等の効用を有する土地の造成に要する推定の費用の額を勘案して、行わなければならない(同法4条)。
③ 土地鑑定委員会が、その結果を審査し、必要な調整を行って、一定の基準日における当該標準地の単位面積当りの正常な価格を判定し、これを公示するものとする(2条1)。
※ 毎年1月1日を基準日として、標準地の単位面積(平方メートル)あたりの価格が判定・公示される。
● 正常な価格とは
イ 土地について、自由な取引が行なわれるとした場合におけるその取引において通常成立すると認められる価格(2条2)。
※ 農地、採草放牧地又は森林のままで取引する場合を除く。
ロ 当該土地に建物その他の定着物がある場合又は当該土地に関して地上権その他当該土地の使用若しくは収益を制限する権利が存する場合には、これらの定着物又は権利が存しないものとして通常成立すると認められる価格(2条2)。

⑷ 地価公示の方法 

とことん覚える!重要度A】       

① 土地鑑定委員会は、毎年1回、正常な価格を官報で公示する。
※ 国土交通大臣が公示するのではない。
② 土地鑑定委員会は、公示をしたときは、すみやかに関係市町村の長に対して、公示した事項のうち当該市町村が属する都道府県に存する標準地に係る部分を記載した書面及び当該標準地の所在を表示する図面を送付しなければならない(7条)。
③ 関係市町村の長は、上記の図書を当該市町村の事務所において一般の閲覧に供しなければならない(7条2)。
※1.閲覧は都道府県の事務所ではない。
※2.関係市町村の長は、閲覧の場所、閲覧規定を定めてこれを告示しなければならない(施行令1条)。

⑸ 公示事項(同法6条) 

土地鑑定委員会は、正常な価格を判定したときは、すみやかに、次に掲げる事項を官報で公示しなければならない。
① 標準地の所在の郡、市、区、町村及び字並びに地番
② 標準地の単位面積当たり価格価格判定の基準日
③ 標準地の地積(面積)および形状(土地の形)
④ 標準地およびその周辺の土地の利用の現況(周辺の土地の価格は、公示されない)
⑤ 標準地についての水道・ガス供給施設および下水道の整備の状況
⑥ 標準地の住居表示
⑦ 標準地の前面道路の状況
⑧ 標準地の鉄道その他主要な交通施設との接近状況
⑨ 標準地に係る都市計画法その他法令に基づく制限で主要なもの
⑩ その他、標準地についての土地の客観的価値に作用する諸要因に関する事項で土地鑑定委員会が必要と認めるもの

⑹ 公示価格の効力(指標・規準)

 
とことん覚える!重要度A】    

① 都市およびその周辺の地域等において土地取引を行う者は、当該土地に類似する利用価値を有すると認められる標準地についての公示価格を指標として取引を行うよう努めなければならない
※「土地取引を行う者」には、国や地方公共団体も含まれる。
② 準 則(規準としなければならない場合等)
イ 不動産鑑定士は、公示区域内の土地について鑑定評価を行う場合において、当該土地の正常な価格を求めるときは、第6条の規定により公示された標準地の価格(以下「公示価格」という。)を規準としなければならない
ロ 土地収用法その他の法律によって土地を収用することができる事業を行う者は、公示区域内の土地を当該事業の用に供するため取得する場合において、当該土地の取得価格を定めるときは、公示価格を規準としなければならない
ハ 土地収用法第71条の規定により、公示区域内の土地について、当該土地に対する同法第71条の事業の認定の告示の時における相当な価格を算定するときは、公示価格を規準として算定した当該土地の価格を考慮しなければならない。

⑺ 土地鑑定委員会

        
① 土地鑑定委員会は国土交通省に置かれている。
② 土地鑑定委員会(委員会からの受命者及び受任者を含む)は標準地の選定を行うために他人の占有する土地に立ち入ることができるが、立入りの3日前までにその旨を土地の占有者に通知する必要がある。なお承諾を得る必要はない(法22条1項・2項)。