抵当権の効力の及ぶ範囲

抵当権の効力は、目的不動産に附加して一体となった物に及ぶ(370条本文)。
※1.附加一体物……庭石植木建物の増築部分など。抵当権が設定された時の物だけでなく、設定後に附加された物にも抵当権の効力が及ぶ
※2.抵当権が設定された時の従物(畳・建具など)も、主物の処分にしたがい抵当権の効力が及ぶ(87条2項、判例)。

抵当権の効力の及ぶ範囲

また、借地上の建物に抵当権が設定された場合における借地権は、建物の所有権に従たる権利であるから原則として抵当権の効力が及ぶ(判例)

借地権が地上権である場合

この場合には、地上権は主物である建物の従たる権利であり、しかも地上権は地主の承諾なしに自由に譲渡できる権利であるから、競落人(買受人)は建物の所有権と共に地上権(借地権)を取得し、かつ土地の所有者(地主)に借地権を対抗(主張)することができる

借地権が地上権である場合

借地権が賃借権である場合

この場合には、賃借権には自由譲渡性がないので(民法612条)、賃借権の移転について「地主の承諾」があるか(民法612条)、あるいは地主の承諾に代わる「裁判所の許可」がない以上、競落人は賃借権(借地権)を地主に対抗することができない。

借地権が地上権である場合