占有の承継

占有の始めに善意かつ無過失の場合は10年間で、そうでない場合は20年間で、所有権を時効取得することができる。そして、占有が承継された場合、承継した者は、自らの選択に従って、①自己の占有(善意・悪意)のみを主張してもよいし、②自己の占有に前主の占有(善意・悪意)を併せて主張してもよい。ただ、前主の占有を主張する場合は、前主の瑕疵(暴力によって占有した等)及び善意又は悪意も引き継ぐことになる

占有の承継

CがAの占有承継を主張すれば、Aは善意だからBCが悪意であっても、10年の時効取得を主張できる
※ 占有の承継は、売買、贈与、相続等と考えればよい。

間接占有

他人に賃貸しても、自分が占有したことになり取得時効を主張できる!!
たとえば、甲の土地をAが善意かつ無過失で占有を開始し、所有の意思をもって、平穏かつ公然に6年間占有を続けたのち、Bに4年間賃貸した場合、Aはその土地の所有権を時効取得することができるのだ!! 代理占有(間接占有)

所有権以外の財産権も、自己のためにする意思をもって、平穏かつ公然に占有すれば、善意・無過失者は10年、その他の者は20年で時効取得できる(163条)。

とことん覚える!【重要度B】
① 時効取得できるもの
地上権永小作権地役権質権不動産賃借権
★注.地上権とか賃借権を取得する意思であれば、地上権あるいは賃借権を取得する
② 時効取得できないもの
留置権、先取特権、抵当権、動産賃借権などの債権